2016年座間味島日帰り旅行記
(渡嘉敷島 VS 座間味島)
2016/8: 発行
はじめに
ついに行ってきました座間味島。
古座間味ビーチ
渡嘉敷島から目と鼻の先なので、いつか行ってみようと思いながら、東京子が東京タワーに上った事がないように、いつでも行けると思いついつい行かずにきてしまいました。
一昔前でしたら、渡嘉敷島から座間味島に行くには、一旦那覇に寄ってフェリー等の定期船に乗り換えるか、4~5万円払って漁船をチャーターして直接向かうしかなかったのですが、今はオンデマンド(予約がある場合のみ運行)ながら公共の船が就航して、たったの1500円で往復できます。
今回の使命は、渡嘉敷島から座間味島を日帰り旅行する場合のお勧めコースの下見と、渡嘉敷島のビーチと座間味島の代表的なビーチである古座間味ビーチを比べると、どちらが綺麗で満足度が高いかを同業者の目でじっくり観察する事です。
どいう結果になるでしょうか。
結論
お忙しい方のために先に結論を述べてしまいましょう。
先ず座間味島の観光に関するファンダメンタルな部分としては、渡嘉敷島の方が僅かながら進んでいると言えます。
ただし海の綺麗さについては、古座間味ビーチの方が上だと言えるでしょう。
なぜそういう結論に至ったかについては、これからじっくりご説明したいと思います。
みつしまの予約
いきなり旅行記に入る前に、渡嘉敷島から座間味島にいく船である”みつしま”の予約をしなければいけません。
この船は、座間味村によって運営されており、元々は座間味村の管轄である座間味島ー阿嘉島を含める三つの島をつなぐという意味でみつしまと名づけられたそうです。(ただし、もう一つの島がどこなのかは不明です)
みつしまの航路
という訳で、本来みつしまの航路に座間味村外である渡嘉敷島は入っていなかったのですが、2012年に試験的に渡嘉敷島の朝夕の往復を開始し、翌年より本格運用が開始されました。
ですので当初は渡嘉敷島からの乗客もまばらだったのですが、最近はみつしまの存在もかなり知られてきた様です。
実際3週間前にも前日に予約を入れたのですが、予約が一杯で断念し、翌週は予約は取れたものの雨で旅行を断念し、今回が3度目の挑戦(5日前に予約)になります。
オッと、忘れていましたが、みつしまの予約番号は以下の通りです。
098-987-2614(座間味村役場産業振興課船舶係)
天候
さて、みつしまを予約した日、いよいよ座間味に向かって出発です。
ですが、ここで当日の状況をお伝えしておかなければなりません。
実は台風が近づいているのです。
前日まで波情報を気にしていたのですが、当日の朝の波情報は以下の通りです。
ご覧の様に、沖縄にかなり台風が接近していますが、本島に遮られてケラマ諸島はまだ波は穏やかです。
夕方の予想は以下の通りです。
ご覧の通り、波高は上がりましたが、何とか帰ってこれそうです。
ちなみに、みつしまの当日の運行状況は、以下のHPでも当日の8時過ぎに確認できます。
9:05 阿波連港出発
さて当日の朝です。
旅行費用を安くあげるため、前日までパラソルと愛用のデッキチェアを持っていこうかと思ったのですが、かさばるので潔く諦めました。
その代わりでもないのですが、カメラと小さなスピーカーと冷えたビールとおつまみを持って出かけます。
わざわざビールと思われるかもしれませんが、このビールのありがたさを、このあとしみじみ実感するのでした。
阿波連の集落の端から、みつしまの浮き桟橋がある阿波連漁港までは500mほどですので、そこからどんなに遠い阿波連の宿泊施設からでも、のんびり歩いても15分以内には着くのですが、途中で写真を撮る事を考えて8:45に宿泊施設を出発します。
阿波連の集落の端から阿波連漁港まで500mの看板
宿泊施設によっては、浮桟橋までクルマで送迎してくれますので、事前に確認するのが良いでしょう。
浮桟橋までの途中風景
今回の場合、出発時刻の10分前には浮桟橋に着いてしまいました。
みつしま乗船場の看板
日差しを避けるため、漁協の建物の前で時間を潰します。
いつもでしたらこの前に数名の乗船客がいっらしゃるのですが、台風の影響なのか、今日の乗船客は私一人の様です。
そうこうしている内にみつしまが到着します。
みつしま入港
船内で船長さんに700円を支払っていざ出航です。
航海
いつか必ず戻ってくるぞと、固く誓いながら多少センチメンタルな気分で出航します。(7時間後には戻ってくるのですが)
ちなみに船内はこんな感じです。
写真を撮ったときは曇っていますが、運航中は右側が東側なので、日の当たらない左側に座った方が無難かもしれません。
また前方の見える左側の一番前が、ベストポジションと言えそうです。
ついでに言うと船内にいても多少水しぶきが掛かりますので、服装やバッグ等は濡れても良いものがお勧めです。
そして9:20に阿嘉島に到着です。
阿嘉島の桟橋
向こう側に慶留間島に向かう橋が見えます。
一時は慶良間諸島を全て橋でつなぐ計画もあったそうですが、環境破壊を懸念して断念したそうです。
これは非常に歓迎すべき懸命な判断です。
そして9:35に座間味島に到着です。
予定では9:40着ですので、乗員が少ない分(軽くて)早く着いたのかもしれません。
ところで快適だったのは、ここまでです。
この後は、小言の連続になります事何卒お許し下さい。
座間味島到着
ついに座間味島に到着しました。
言い忘れましたが、実は座間味島に来たのは、これで2度目です。
1回目は数十年ほど前の事です。
さすがに数十年も経つと、当時の面影は全くありません。
それはともかく、今回の座間味島の第一印象は、盛り上がらないの一言です。
例えば、オアフに着けば、飛行場でフラダンスの迎えがあります。
ラスベガスに行けば、スロットルマシンの迎えがあります。
渡嘉敷島に着けば、送迎のクルマと民宿の人の迎えがあります。
ところがここでは、下の写真の様にガラ~ンとしているのです。
全く盛り上がらない9:36amの座間味港
内航船に乗って一人で来たせいもあるかもしれませんが、この14分後の9:50には高速艇が到着するのにこんな感じです。
おまけに次にどこへ行けば良いか、案内板も無いので、皆目見当が付きません。
しょうがないので、先ずは写真正面にある待合所に向かいます。
すると驚いた事に、正面玄関の真ん前には鉢植えが隙間なく2列も置かれていて、正面からは絶対に玄関に行かせないぞという強い意志が見受けられます。
正面からの通行を阻止する鉢植え
(写真では途切れていますが、頭上にはめんそーれ座間味村への文字)
何故?と思いながら脇から玄関に回って扉を開けようとすると、押しても引いても扉が開きません。
そうか。この扉はロックされているので、遮断用に花壇が置かれているのだなと思って、別の扉を探していると、そのロックされていると思った扉から人が出てきました。
何とあの扉は横に開くスライド式だったのです。
ですが、扉には開けたら閉めろの張り紙はありますが、スライド式を示す表示は全くありません。
正面通路は厳重に塞いで、扉の開け方に関する表示は一切無い島の表玄関。
座間味のHPを見ると、渡嘉敷島より洗練されているので、かなり期待してきたのですが、この対応にはかなりがっかりです。
この様に旅行者をがっかりさせる不合理な状況は、まだまだ続きます。
取り敢えず建物の中に入ってみると、中はただの待合室で、古座間味ビーチに行く手段は何も書かれていません。
座間味村営バス
しょうがなく建物の脇に回ってみると、バスが数台停まっています。
どこかで見た様なデザインのバスの表示プレートを見ると、座間味村営バスとあります。
どうやらこれに乗れば古座間味に行けそうです。
ただしこの表示プレートの英語も少し引っかかります。
公共バスなのですから、一般的にはZAMAMI VILLAGE BUSではなく、ZAMAMI PUBLIC BUSでしょう。
おまけに更に良く見ると、VILLAGE(ビレッジ)ではなくVILLGE(ビルゲ)という、致命的なスペルミスまであります。
島の表玄関にあるバスにこんな表記ミスがあって、誰も気が付かないのでしょうか?
それとも気が付いているけど、直さないのでしょうか?
さらにこのバスですが、昔戸塚を走っていた横浜市営バスに似ているなと思って調べたら、まさにその通りでした。
以前戸塚方面を走っていた横浜市営バス
折角座間味島に来ながら、まさか横浜を走っていたバスに乗るとは思いませんでした。
こんな事に気が付く人は殆どいないのでしょうが、期待が大きかった分、徐々に失望も大きくなります。
もうこれ以上書くなと言われるかもしれませんが、同じように混乱する方が居ると思うので、これも書いておきましょう。
横に回ってこのバスのルート表示板を見ると、以下の様に書かれています。
土地勘のない人がこれを見て、このバスは循環バスだと理解できますでしょうか。
循環する事を表すのでしたら、以下の様に書くべきでしょう。
阿真⇄座間味港⇄古座間味ビーチ⇄阿佐
注:下の矢印の経路では、古座間味ビーチはスキップされる様です。
さらに混乱に拍車を掛けるのは、乗車口横に貼られたこの貼り紙です。
座間味港に止まっているバスに”座間味港行き”とセロテープ止めした紙が貼付されているのです。
ですから乗る人全てがこの紙を不思議そうに眺めて、不安そうにバスに乗り込んできます。
一体この張り紙は何のために貼られているのでしょうか?
理解に苦しみます。
気を取り直して、出発時間を見ると、次の古座間味行は10:00ちょうど発の様です。
その前のバスが9:35でしたので、事前に分かっていれば1本前に乗れたかもしれません。
ちなみに車内はこんな感じで、横浜でのワンマンバスの名残で降車用の押しボタンもそのまま残っています。
ただし運転席後に付いていた料金表示パネルは外され、椅子には防水加工がしてありました。
高速艇が着くと一気に混みだして、車内は一杯になり出発です。
料金は300円で後払いになりますので、小銭を用意しておいた方が早く降りれます。
乗車時間は5分ほどですが、混んでるし、乗り心地は悪いし、エアコンは何故か突然止まるし、運転も決してうまいとは言えない状態でしたので、これ以上乗っていたらビールを飲まずに酔えたかもしれません。
ビーチ到着
ネガティブな前置きが長くなってしまいましたが、10:05ついに古座間味ビーチに到着です。
以前来たときには、海の家はおろか、自動販売機すらなかったのですが、今ではテラス付きの立派な海の家が存在しています。
さっそくパラソルとデッキチェアーのセットを2000円で借ります。
黄色チームレンタルボード
あとで分かったのですが、ここにはレンタル業者が2軒ある様で、それぞれが黄色のパラソルとブルーのパラソルを管理している様です。
ブルーチームのレンタルボード
値段は同じ様ですが、ブルーチームは最近はやりのマーメード撮影もやっていました。
1時間3000円とは一人当たりの値段でしょうか?
だとするとかなり高い気がしますが、どうなのでしょう。
古座間味ビーチのロケーション
さてそれではビーチの印象ですが、間違いなく渡嘉敷島より上です。
ここに来て初めて気が付いたのですが、ここ古座間味ビーチは東向きです。
ですので午前中は海を見ると逆光になるのですが、午後になると順光になり海の色が映えます。
午前中は逆光の古座間味ビーチ
一方、渡嘉敷島の阿波連ビーチは南向き、渡嘉志久ビーチは西向きですので、午後になると逆光気味になって海の鮮やかさが減っていきます。
恐らく透明度はどこも大差はないでしょうが、この光の向きの差は大きいものがあります。
もし海をバックに写真を撮るのでしたら、断然古座間味ビーチの午後を狙うべきです。
午後になると順光になり海の色が鮮やかになる古座間味ビーチ
間違いなく、誰が撮っても綺麗な写真が撮れます。
逆に言えば、渡嘉敷島で海をバックに写真を撮るには、午前中とも言えます。
また下の写真の様に、ビーチの北側は遊泳禁止エリアでパラソル等の人工物も人気も無いため、写真撮影にはもってこいです。
古座間味ビーチの北側(左側)は人気が無い
マーメードの撮影もこの辺で行うのでしょう。
それと砂の大きさも、渡嘉敷島のそれより大きい様に思われます。
あくまでも持論なのですが、砂の粒子が大きいと、細かい不純物を浄化する能力が高い(不純物を海底に沈める)のではないかと推測します。
古座間味ビーチのその他
その他の気が付いた事と言えば、ここでは完全に魚の餌付けは禁止しています。
環境保護のためと言う事でしたが、座間味島周辺には多数の生簀(いけす)を見かけました。
生簀に入れた餌は、必然的に外にも漏れ出し、外の魚も食べます。
どう考えても矛盾しています。
またビーチでのたばこは禁止されています。
これはご時世なので仕方がないとして、何と海の家ではビールを売っていないのです。
これはビール党にとってはつらい事です。
ですのでどうしてもビールが飲みたいとなったら、またバスに乗って集落まで買いに行かなくてはなりません。
ハワイのビーチでは法律で飲酒が禁止されていますが、ここでビールを販売しない理由は不明です。
もしかしたら過去に起きた水難事故への防止策なのかもしれませんが、飲酒と事故の因果関係は果たして立証されているのでしょうか。
最後にトイレですが、お世辞にも綺麗とは言えません。
おまけに男性用トイレは外から覗かれてしまいますので、表扉は閉めて入った方が無難です。
またトイレと更衣室は無料ですが、シャワーは300円との事でした。
海の青さは捨てがたいものの、となるとやっぱり渡嘉敷島が良いかなと思ってしまいます。
帰路
帰りの船は15:30出発ですので、古座間味ビーチ15:10発のバスに乗れば十分間に合います。
ですがビールが買えないと分かった瞬間から、早めに帰路に就くことにします。
時刻表を調べると14:20発のバスに乗れば、阿佐経由で港に戻れます。
また循環バスですので、もっと乗っていれば阿真ビーチも車窓から見る事ができます。
すなわち、バスから降りなければ、300円のままで以下を見て回れるという訳です。
14:20古座間味→14:25阿佐→14:35座間味港→14:40阿真→14:45座間味港
という訳で、周遊してきた写真が以下です。
14:21阿佐
写真では分かり難いのですが、阿佐は大きな湾になっていてバスから見ると北側になりますので、やはり順光で綺麗に見えます。
14:37阿真ビーチ
一方阿真ビーチは阿波連ビーチと同じ南向きですので、午後になると同じ様に色度と鮮度は落ちてしまいます。
帰還
いよいよ帰還です。
帰りの乗船券はチケット売り場で購入する必要があります。
帰りにようやく分かったのですが、渡嘉敷島では案内所もチケット売り場もフェリーターミナルの中にあります。
ところが座間味島では、それぞれが分かれて存在しています。
どちらが利用者にとって便利かは、言うまでもない事でしょう。
チケット売り場では、行列ができるとラインの後ろの方々は暑い屋外で待たされていました。
どうしてここまで座間味島と渡嘉敷島は違うのでしょう、と思いながらみつしまに乗り込みます。
台風の影響でしょう。
行きよりも明らかに横揺れが大きくなっています。
渡嘉敷島に近づくと、帰ってきたなと感じます。
まとめ
辛口の記事が多くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
まとめとしては、一度は渡嘉敷島から座間味島に足を延ばしても、損はないといった所でしょうか。
ただしビール持参は必須です。
そして最後の写真は、阿波連ビーチの夕景で締めたいと思います。
明日は台風休みになりますように
次回は阿嘉島に行ってみたいと思いますので、乞うご期待。
座間味島日帰り旅行記